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2008年05月23日
バニウトロの絵
先日、会社に少し大きな箱が届きました。
なんだろう?
箱を開けたとたんに目に飛び込んできたのは
笑っているバニウトロの顔でした。
うわ~!なに?
それは、ばーにーパパからの
バニウトロのパステル画でした。
「知人に描いてもらったバニウトロです。
ご迷惑でなければ、バニウトロの脇にでも置いてください。」
そうメッセージが添えられていました。
会社で人目もありましたが、
涙が止められませんでした。
なぜなら、そこに描かれたバニウトロの顔は
元気だった最後の日、4月5日の
お医者さんへ行って麻酔を打つ前の、
車に乗って笑っていたバニウトロだったのです。
いろいろな思いがわいてきました。
この絵を描いて贈ろうと思いついて下さった事へのありがたさ、
「ほ~ら、絵を描いてもらったんだよ」
そう言ってバニウトロに見せたいのに、
もう決してそれができない寂しさ、
そして、こんなに楽しそうな顔で出かけたのに
この日を境に立てなくなったことへの尽きない後悔・・・。
この日の、この瞬間に戻れたら、と
何度思ったかわかりません。
家に帰って、白い箱を見る毎日に、
ある程度はふっきれたつもりでいましたが・・・。
でも、後悔の気持ちも決してごまかさないで
もう一度バニウトロに会う日まで
しっかりと生きていかなくちゃ、ですね。
さて、もう一人、複雑な思いでこの絵を見る人がいます。
@BOSSです。
最近、仕事先から戻って車を降りた@BOSSの目が
赤くなっていることがあります。
(こんなこと書いちゃっていいのでしょうか・・・)
@BOSSは@BOSSで、バニウトロがいない現実を
受け止めなくてはならないと思いつつも
やはりふとした折、特に車を運転していると
思い出してしまうようです。
昔、「思い出のアルバム」で紹介したことがありますが
@BOSSは絵を描きます。
会社を始めてからは、ほとんど
筆を持つ時間はなくなってしまったので、
正確には、「描いていました」が正しいのかな。
会社に@BOSSの描いた絵が何枚か飾ってありますが
ほとんどが、昔@BOSSが飼っていた
愛犬の「クロ」と愛猫の「ヨモ」です。
「クロ」(水彩画)
「クロ」(水墨画)
「クロ」(水彩色鉛筆画)
「クロ」(水墨画)
「ヨモ」(水彩色鉛筆画)
贈られたバニウトロのパステル画を見た@BOSSは
会社に一枚もバニウトロの絵がないことを後悔していました。
忙しさを理由に、12年も育てたバニウトロを
一枚も描いてあげなかったことへの後悔なのでしょうか。
写真はたくさん残っているけれども
じっくりと向かい合って、観察して、対話しながら
時間をかけて描きあげることを
生きている間にしてあげられなかったことを
今更ながらにつきつけられたかのようでした。
そして、今、会社に飾ってあるすべての絵が
クロとヨモの「遺影」となってしまっていることも
あえてバニウトロの絵を描けなかった
理由の一つだったのかもしれませんが、
そのバニウトロも、亡くなってしまいました。
自らが描いていても、描いていなくても、
いずれにしても「遺影」となってしまった現実。
このパステル画は、その現実を
はっきりと@BOSSに物語るものでした。
@BOSSも、やはり涙をうかべて、
バニウトロの絵を見ていました。
ばーにーパパ、すばらしい贈り物をありがとうございました。
贈って頂いた絵は今、バニウトロの隣にあります。
こうした暖かい思いやりをつむいでくださる皆さんへの
言い尽くせない感謝の気持ちと、また、
このようにして頂けるのは、バニウトロが最後まで
必死に懸命に生きてくれたことのおかげだという
バニウトロへのありがとうの気持ちと誇り、そして、
この嬉しそうに笑っていたバニウトロに
トリガーを引いてしまったのかもしれない自責の念。
すべてをひっくるめて、
きっと、この絵を見るたびに、私も@BOSSも
「そうだ、私たちも"今"を一所懸命生きなくては」
と思い出すことでしょう。
この絵は、心の奥に深く残るすばらしい贈り物となりました。
投稿者 utoro : 2008年05月23日 21:56
コメント
投稿者: ゴロママ 2008年05月24日 00:30
良い画ですね
その人のやさしさも一緒に描かれてますね、
写真もその時の一瞬の輝きっていうか
そこに実際に居たという証しだから
それもとても貴重なものだけど
画って人の真心ですね
ほんとに良い画です・・・
バ二ウトロちゃんにまた会えてよかった、
私も今とても優しい気持ちになれました
みんなに愛されてるねバ二ウトロちゃん。
投稿者: テリイデ 2008年05月26日 23:17
パステル画ステキですね.
@BOSSさんはスゴイ才能!
あんなに絵が描けたらどんなにか
幸せでしょう?スゴイです!
投稿者: ウトロ 2008年05月27日 11:36
絵は人の真心、って、ホントですね。
パステルでも、水墨画でも、
時間をかけて、ひと筆ひと筆、白い紙を染めて
思いを映し出していくわけですから。
私もあんな風に絵が描けたらなあと思います。
でも、デジタルに慣れてしまったこの体、
「やり直し」「リセット」「ショートカット」「繰り返し」
絵を描く、という作業には、こうしたボタンがないわけで、
筆を持ち、一枚の絵を描いてみるだけで、
やり直しがきかない緊張感を持たずに
いかに自分が、「とりあえず」で生活をしているか、
我が身を振り返って見つめなおすことができそうです。