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2008年05月02日
虹の橋行きのバスに乗る
平成20年5月2日、午前0時45分、
バニウトロが永眠しました。
享年12才と1週間と45分。
とても静かな最後でした。
昨日の日記でご報告した通り
水も飲めない状態が続く中がんばっているバニウトロを見て
もしかすると、バニウトロの生命力とは別に
脱水症状や尿毒症で死んでしまうのでは、と思いましたが
すでに、舌を巻き込む可能性があり
車での移動も危険な状態でしたので
GWで往診が不可能な先生とも相談し
近くの獣医さんから来てもらうことにしました。
かんぞうの花が咲く、佐渡の大野亀。丘の上で風に吹かれる。
山形のお釜。荒涼として、まるで火星のような景色。
「バニウトロ、ほ〜ら、お水だよ。」
夜7時すぎ、その先生に習って@BOSSが
鼻から胃へ直接チューブを通して
吸収のよい電解水と栄養食を送り込みました。
がんばっているバニウトロに飲ませる
これが最後のお水とご飯です。
いつもは何も口にできないバニウトロの側で
ご飯を食べる事に、申し訳なさを感じていましたが
バニウトロがお水とご飯を食べたこともあって
私たちも何となく安心して、その夜は
コタンさんが買って来てくれた差し入れを頂きました。
夕食後、しばらくすると
バニウトロの動かないはずの後ろ足がぴくぴくするので
見てみたら、一生懸命ウンチを出そうとしています。
もう丸3日間、水を飲めなくなってから、
おしっこもウンチもあきらめていたのでびっくり。
寝ていてうまく踏ん張れないので
足裏に手を当てて力みやすいようにしてあげて
あともう少し、というウンチを引っ張りだしてあげると
お水のせいか、前回のような干からびたウンチではなく
しっかりした、形のよい大きなウンチがスポン!と私の手に。
なんだか、バニウトロの赤ちゃんを取り上げたみたいで
「これが、バニウトロの赤ちゃんだったらね〜」と
思わずみんなで笑ってしまいました。
まだ古いバスの頃。タンクのお水を飲む。
「早く降りよう!」とバスを覗き込むバニウトロ。
佐渡にて。三度のメシより海が好き。
夜10時30分。
バニウトロを囲む形でみんなで横になり
この3日間あまり眠っていない@BOSSもヨーダ婆も、
ちょっとした安堵感で、順番に寝息を立て始めました。
バニウトロの荒い呼吸の音だけが部屋に響きます。
私もほどなく、うとうとし始めました。
深夜0時30分。ふと目が覚めました。
なんだかバニウトロの呼吸が違う。
今考えると、少し不思議。
バニウトロの息は激しくなったわけではなく
私が目を覚ますような変化ではなかったのですが
もしかしたら、バニウトロがお別れを言うために
私を起こしてくれたのかも、という気がしてなりません。
呼吸がいままでより静かで間隔が遅い。
前の晩は@BOSSが、バニウトロの傍らで
やはり寝息が静かになると起きだして
呼吸の様子を見守る番をしてくれていました。
昨晩はその度にちゃんと荒い息に戻ってくれていたのですが
この時の呼吸は、明らかに静かで遅かったのです。
「バニウトロ、バニウトロ !」
私の声で@BOSSもヨーダ婆も目を覚ましました。
そして、今日までに既に3度、
息の止まりそうになったバニウトロを見てきましたが、
私たちはこの時、バニウトロが
とうとう虹の橋行きのバスに
乗ってしまおうとしていることがわかり
皆の目から涙が流れました。
でも、悲しい顔は見せないで、見送る約束です。
皆、バニウトロに顔を寄せました。
そのバニウトロのおでこや耳には
私たちの涙がポトリ、ポトリと落ちましたが
でも、精一杯の声の笑顔で語りかけてあげました。
「バニウトロ、くるまに乗った?」
「よーし、ピョン!あぁ、乗れたねぇ」
「よし、じゃあ、バニウトロの場所はどこだっけ?」
「そこかあ、よしよし。海に行くよ、海!!」
「あぁ、よしよし、もうすぐ、海だよ!」
「ゆっくり休んで、明日泳ごうね」
「バニウトロ、よしよし、頑張ったね」
「うん、うん、よく頑張った、えらい、えらい」
「よしよーし。バニウトロ、いいこだねぇ」
もう誰も「頑張れ」とは言いません。
そんな私たちの声が届いてくれたのでしょう。
みんなが声をかける中、
バニウトロの目の焦点が合ってきました。
それまでは上の方向を向いていた黒目が
元気だった頃のように、真っ正面で
私たちの顔を捉えています。
「おっ!バニウトロ、見えるか?海だよ」
「よしよし、今日はゆっくりお休み」
「よしよし、いままで良く頑張った、えらい、えらい」
「よしよし、バニウトロ、疲れたよね」
そして、決して言いたくはなかったけれど
頑張ったバニウトロに、最期のご褒美の言葉を。
「よしよし、今日はもう、おやすみしていいよ」
「おやすみ、バニウトロ。」
「また明日・・・、また明日、泳ごうね」
安心したかのように、バニウトロの息は段々小さく細くなり
そしてフッと呼吸と心臓が止まりました。
私が目を覚ましてから
わずか15分くらいのことでした。
「バニウトロ、よく頑張ってくれたね、ありがとうね。」
最後にたくさんのおしっこをしました。
とても愛おしい温かさのおしっこ。
それはバニウトロが生きていた最後の証でした。
本州最南端、下関の関門橋をバスで訪ねる。対岸は九州。
@BOSSに寄りかかって嬉しいバニウトロ。
運転席の後ろ、一番広い特等席が「バニウトロの場所」
こうして、最後の日、バニウトロは
お水を飲み、ご飯を食べ、ウンチをして、おしっこをして
お別れを言って、ぜ〜んぶやりきって
虹の橋行きのバスに乗りました。
4月30日の3度に渡る危篤状態の時と打って変わって
安らかで、すっきりとして、
私たちは別れがたくて、辛くはあったけれど、
泣きながらも笑顔で見送れる最後でした。
バニウトロ、本当にありがとう。
バニウトロと一緒に過ごせて楽しかったよ。
この最後の一週間、バニウトロと
片時も離れる事なく過ごす事ができましたが
これがGWでなかったら絶対に不可能なことでした。
初めて満開となった家の前の桜といい、
お別れの時に目を覚ましてくれたことといい、
最後のお水も、ごはんも、おしっこも、ウンチも、
どれもこれもが一つの大きな丸でつながって
完結したという気持ちです。
夜が明けました。
バニウトロの枕元には
いつも使っていた食器にごはんとお水を入れ、
タンポポの花と、ココナッツの線香をあげています。
とても静かです。
外は今日も気持ちのよいお天気。
バニウトロとお散歩したくても、もうできない。
それを思うと、つい涙が出てしまいますが
もうちょっとの間だけ、
泣き虫ウトロのままでいさせてください。
佐渡、風島海浜公園をお散歩。
夕日を追いかけて沖へ沖へ。泳げ、泳げ。
何回乗ったかわからない、佐渡汽船のカーフェリー。
九州、道の駅「きくすい」にて。気持ちのいい夕暮れ。
バニウトロは、きっと今頃、バスの中で
大好きな、運転席の後ろの席を陣取って
一緒に過ごして来たこの12年間の
いろいろな景色を眺めながら
気持ち良さそうに風に吹かれて
虹の橋へ向かって走っていることでしょう。
バニウトロ、よかったね、うれしそう、
素敵なバスだね。バニウトロ号だね。
12年間ありがとう。
大好きだったよ。
「またね。また、おいで。」
投稿者 utoro : 2008年05月02日 17:43
コメント
投稿者: コタン 2008年05月02日 19:58
バニウトロの最後は ホントに良く頑張った! 花○だね。
@BOSSは 呼吸の止まったバニウトロを 「ガンバレ 戻ってこい!」 と呼び戻しちゃったんですよ・・
って言ってたけど、きっとバニウトロは名前を呼ばれて クルッと帰ってきたように思います。
もう少し、もう少し、一緒に居たい! という気持は、バニウトロだって同じくらいもっていたはず。
そして最後は 水も飲めたし、ウンチも出たし、オシッコだってした。
2人に 「えらい えらい! よし よし!」 と沢山褒めてもらって、充分満足して旅立ったのだと思います。
近くで見ていて、2人が一生懸命に考えて、何をしてあげたらいいのか? この方法でいいのか?
迷いながら答えを出して、出した答えにまだ迷いながら 「できることは全部やってあげたい!」 と思う気持が とても良くわかりました。
ずっと一緒に暮らした家族なんだから 当然だよね。
バニウトロは逝ってしまったけど、私にも沢山のことを教えてくれました。 ホントにありがとう。 ゆっくり休んでね。
でも、休んでなんかいられなくて バニウトロ号に乗って 今年行くはずだった北海道に向かっているのかもしれないよ。
バニウトロのことだから もう出発してると思う 「お先ぃ~ 」 ってね。
だからウトロさんも 泣き過ぎてハニワのような目を直して ウトロを追って北海道! の計画を立てなくちゃ(笑)
ウトロの話題は いつも私たちを楽しくさせてくれました。 ホントにありがとう! ずっと忘れないよ~。
投稿者: いわた 2008年05月02日 21:26
みんなとちゃんとお別れして行くために、日にちまで選んだみたいだね・・・
君の乗ったバスの行く先には、うちのハスキーやゴルも居るのかな?
ありがとう、そして、おやすみなさい。
投稿者: テリイデ 2008年05月02日 22:07
寝てたのに,ちゃんとウトロさんには
バニウトロの思いが伝わったんですね.
バスに乗るときに,ちゃんと
一緒にお見送りができて本当によかった.
幸せそうなバニウトロの写真がいっぱいあって
その顔を見てると本当に嬉しそうです.
いっぱいいっぱいの暖かい愛で包まれている
バニウトロちゃんがよく見えます.
みんなが虹の橋のたもとに行くまで
バニウトロちゃんは
ちゃんと待っててくれますよ.
投稿者: ヒナ 2008年05月02日 22:44
最後まで生きようとよくがんばりました。
それから、お疲れ様でした。
天国で、うちの子たちとも仲良く遊んでほしいなと思います。
ヒナ
投稿者: ゴロママ 2008年05月02日 23:29
バ二ウトロちゃんがんばったね。
偉かったね、
ウトロさんも偉かったね・・・。
お疲れ様・・・
しばらくお休みしたら元気になってね
虹の橋に行ったら
うちのゴロちゃんと仲良くしてくれるかな
喧嘩の嫌いな子なのでよろしくね。
いずれ私たちもそこにいくまで
この子達に恥じないように生きて行きたいですね。
バ二ウトロちゃん幸せな一生でしたね。
ありがとう・・・ご冥福をお祈りします。
投稿者: らいす 2008年05月02日 23:30
バニウトロよくがんばったね
12年間いっぱいいっぱい幸せをもらえて良かったね
大好きなバスに乗って虹の橋をきっと渡っているのでしょう
泣かないでコメントしようと思っているのですが・・・
泣いたらバニウトロが悲しむので笑顔で見送ってあげたいと思います
らいすもバニウトロのように幸せいっぱいのバニライフを過ごすのでバニウトロ待っててね
しあわせありがとう
投稿者: ばーにーパパ 2008年05月03日 00:17
バニウトロ、最後までよくがんばったね。
虹の橋の前にもう着いたかな?
たくさんのワンコ達が、
飼い主さんの来るのをずっとずっと待ていることでしょう。
ウチのまること、もう会ってるかな?
楽しい思い出がいっぱいあるバニウトロ。
最後もみんなに囲まれて・・・
ウトロさんのところに来て本当によかったね。
投稿者: エリーママ 2008年05月03日 00:31
愛されたわんこ バニウトロちゃん
虹の橋でうちの母に会ったらきっと
「バーニーズやね。」
って声を掛けると思うの。その時はよろしくね。
ウトロちゃん、ほんとにすてきなわんこと
出会えてよかったね。
わたしもエリー姉もぜったいバニウトロちゃんのこと忘れないよ。
投稿者: bikemama 2008年05月03日 04:08
最後の一息まで大変良く生きましたね
バニウトロちゃん~いってらっしゃい
たくさんの友達が歓迎会開いてる頃かな。
御家族の皆様お疲れ様でした
我慢せずいっぱい泣いてあげてください
ご冥福をお祈りしております
投稿者: bossmama 2008年05月03日 06:28
バニウトロちゃんいってらしゃい。
今はもう楽しいことばかり、痛みも辛さもないものね!
バニウトロ号素敵だね!
虹の橋に行ってもきっと色々な楽しい話題を作ってくれんでしょうね。
いつか聞かせてもらいたいです。
楽しい思い出たくさんたくさんありがとうございました。
投稿者: ちゃべ母 2008年05月03日 06:43
バニウトロちゃん
とうとう旅立ってしまったのね。
ウトロちゃんと色々な所に出かけたよね。
最後までウトロちゃんと一緒に居られて良かったね。
ありがとうバニウトロちゃん。
可愛い笑顔、忘れないよ。
ご冥福をお祈り致します。
投稿者: レオン 2008年05月04日 00:08
いつか必ず、誰にでも起きるこの死というものは堪え難いものですね。
バニウトロちゃんにこのページで会うのが本当に楽しみでした。
バニウトロちゃんは凄く愛されていたんですね。私も負けないくらいの愛情を注いでこれからも育てて行きます。
ウトロさんもご家族の皆様もお疲れ様でした。
投稿者: カヨヤン 2008年05月04日 01:45
バニウトロちゃん、よく頑張ったね。
たくさんの思い出とウトロちゃんとみんなの愛情に包まれて
幸せな最期の時を迎えたのですね。
ご冥福をお祈り申し上げます。
とても寂しいけれどバニウトロちゃん、ありがとう。
投稿者: 舟ママ 2008年05月04日 21:37
バニウトロちゃん、よく頑張ったね。
お疲れさま。
大好きな人たちに見送られて、バスで旅立ったんですね。
もう虹の橋に着きましたか?
そちらには、うちのらいかもいるし、
お友達もいっぱいいるから寂しくないよね。
お空の上からシャリちゃんやウトロさん、
@BOSSや、大好きだったみんなを見守っていて下さい。
ウトロさんちの子でいて幸せだったね。
ゆっくりお休みなさい。
投稿者: ウトロ 2008年05月05日 00:17
皆さん、最後までバニウトロを温かく見守って頂いて
本当にありがとうございました。
皆さんからのコメントやメールは
この数週間の私の心の支えでもありました。
お一人お一人にお返事はできませんでしたが
心よりお礼を申し上げます
朝目を覚ましても、バニウトロがいない。
その現実に少しずつ慣れていくことに
今はまだ、どうしようもない寂しさを感じてしまいますが
バニウトロが見せてくれた最後の数日間を思い出すたびに
心から誇らしく思うとともに
私もバニウトロに恥じない生き方をしなくてはと思います。
一緒にバニウトロを見送ってくださった皆さん、
本当に本当にありがとうございました。
また時々バニウトロのことを思い出してやってください。
皆さんが忘れることのないように
私もまた、バニウトロの思い出話を書きたいなと思っています。